【日本画】どんな筆を選べば良い?種類と用途別にわかりやすく解説!

日本画に使う筆の種類と選び方

 

日本画を描く時にどんな筆を選べばいいのか迷ってしまうことはありませんか?

迷ってしまうほど種類が多くありますが、ある程度は用途が決まっているのです。

どんなものが描きたいか、動物なのか植物なのか

細かい書き込みをするのか、粗めの画風にするのかなどなど

どんな表現がしたいのかによって選ぶ筆も変わってきます。

筆の種類と、用途が分かれば

何を選べばいいかなんとなくわかってきます。

 

筆の種類と用途をみながら選んでいきましょう!

平筆(ひらふで)

毛の種類:羊毛(胴毛と尾毛)・猫毛

形のタイプ:四角く、平たい

用途:輪郭線をなぞるように広い面積や、下地を塗るのに適しています。

 

線描き筆/線描筆(せんびょうふで)

則妙筆(そくみょうふで)

毛の種類:羊毛・猫毛

形のタイプ:細長い円錐型

用途:穂先がすうっと長いのが特徴です。穂先で細かな線を描くことができます。

柔らかい線が描きやすく、彩色にも使えます。

削用筆(さくようふで)

毛の種類:イタチ、羊毛、羊尾、鹿毛

形のタイプ:細長い円錐型

用途:水墨画でも用いられる筆です。強弱をはっきりつけられるのが特徴です。

面相筆(めんそうふで)

毛の種類:イタチ、テン(セーブルとも言われます)、狸

形のタイプ:細長い円錐型

用途:全体が細く、穂先も鋭いため線での表現が多いときや

顔や髪の細かな表現をするとき、模様を描く場合に適しています。

運筆(うんひつ)

毛の種類:黒狸、羊毛、羊尾、鹿毛、馬毛

形のタイプ:丸筆

用途:彩色にも使える万能な筆です。水分をたっぷりと含みます。

比較的大ぶりの筆なので、広すぎず、狭すぎない空間を描く際に便利です。

大きな作品などの描き込みなどにも向いています。

名前のとおり、運筆の練習にも最適です。

付立筆(つけたてふで)/没骨筆(もっこつふで)

毛の種類:羊毛、馬毛をミックス(穂先に狸の毛)

形のタイプ:丸筆

用途:この筆は、日本画でオールマイティに使えます。

一本はこの筆を選んでおけば基本は抑えられます。

 

彩色筆(さいしき)

毛の種類:羊毛、馬毛をミックス

形のタイプ:丸筆

用途:筆自体がスポンジのようにに絵の具をたっぷりと含むので、

広い面積を塗る時、強弱をつけて彩色したいときや

濃く塗りたい時から薄く塗りたい時にも使えます。

隈取筆(くまとり)

毛の種類:馬毛、鹿毛

形のタイプ:ずんどうで先が真っ直ぐ

用途:ぼかしに使われることが多いです。

強弱をつけない太く豪快な線を描く場合にも適しています。

 

連筆(れんぴつ)

毛の種類:羊毛、馬毛をミックス

形のタイプ:彩色筆を複数本合体させたもの(一本一本は丸筆)

用途:広い面積をふわっと全体をぼかしたように

筆跡をほとんど残さずに塗るのに適しています。

 

刷毛(はけ)

ドーサ刷毛

毛の種類:羊毛

用途:日本画で滲みどめに使われる「ドーサ」を和紙や絹に塗るときに使われます。

機能的には岩絵具を塗るときにも使えますが、ドーサを塗るときに使った刷毛は併用しないことをおすすめします。

ドーサは滲みどめなので、刷毛自体に滲みどめの成分が残っていると絵の具を弾いてしまい

思った通りの彩色ができない場合があります。

できるだけ絵の具を塗る刷毛とドーサを塗る刷毛は分けたほうが良いです。

 

ドーサとは? 詳しく知りたい方にはこちらの記事がおすすめ!

「」

絵刷毛(えばけ)

毛の種類:羊毛

用途:広い面積を塗るときにむいています。柔らかい毛質で水分をよく含むので岩絵具が絡み、

しっかりと支持体に乗せることができます。

唐刷毛(からばけ)

毛の種類:硬い鹿毛、豚毛

用途:塗った絵の具が乾かないうちにぼかすときや

かすれなどの表現をする場合にも使うことができます。

初めて揃えるならこれ!メーカー別おすすめの筆3選

ここからはメーカー別におすすめの筆を紹介していきます。

上の記事で紹介した筆の種類の中から、

日本画を始めるときに最低限持っておくと良い筆をピックアップしていきます。

今回選ぶ筆の基準

・彩色用に使えるもの

・線描きに使えるもの

・筆1本の値段が1000円前後のもの

比較的リーズナブルで使い勝手の良い筆を紹介していきます。

筆はどの技法でもピンキリで、選ぶのに迷ってしまうと思います。

よければ筆選びの参考にしてみてください。

1.ナムラ(名村)

・彩色用に使えるもの

彩色筆
https://webshop.sekaido.co.jp/product/A000943

HP角ゴチック平筆
https://webshop.sekaido.co.jp/product/A000935

・線描きに使えるもの

イタチ面相
https://webshop.sekaido.co.jp/product/A001395

こちらで紹介したものは参考リンク以外に

Amazon、ゆめ画材などでも取り扱いがあるようです。

(時期や変更により取り扱いがない場合もあります)

 

2.中里

・彩色用に使えるもの

中里 上品 彩色 大

https://www.yumegazai.com/Product/ns-050102 

 

・線描きに使えるもの

特選 面相筆 小

https://www.yumegazai.com/Product/ns-112003

特選 削用筆 大

https://www.yumegazai.com/Product/ns-112601

 

こちらで紹介したものは参考リンク以外に

Amazon、世界堂などで取り扱いがあるようです。

(時期や変更により取り扱いがない場合もあります)

3.松月堂

・彩色用に使えるもの

特製彩色筆 小小

https://shop.sgd-fude.net/items/42601473 

特製彩色筆 中

https://shop.sgd-fude.net/items/42601476 

・線描きに使えるもの

特製削用 小

https://shop.sgd-fude.net/items/42601466

筆を良い状態で保つには?

筆の保管をきちんと行うことはとても大切です!

どんなに高い筆をそろえても、保管方法が間違っていると虫に食われたり、

筆の根が腐ってしまったりして使えなくなってしまいます。

安い筆でもきちんとした保管ができていれば長く使うことができます。

どんな筆でも長く使えるように保管の方法をお伝えします。

筆の適切な保管理の方法

使った後は放置せず、お湯かぬるま湯で洗うのがベストです。

一番注意するべき点は、筆洗に放置しないことです。形の崩れや、毛が抜けやすくなる原因になります。

乾かす際には穂先を下にして吊るすように乾かすと水分が下に抜けていくのでおすすめです。

吊るす場所がない場合には

100円ショップなどでも売っている「ワイヤーネット」を「ネットスタンド」

などで立てかけてフックで筆をかけられるようにすると

簡単にきちんと筆を乾かし、保管することができます。

穂先上にして筆を乾かすと、持ち手の部分と筆毛をつなぐ部分に水が溜まってしまい

腐ることもありますので対策しておくと筆も長持ちします。

 

まとめ

今回は、日本画を描く際に使う筆の種類と用途から

おすすめをお伝えしてきました。

 

今回選んだ筆の基準

・彩色用に使えるもの

・線描きに使えるもの

・筆1本の値段が1000円前後のもの

比較的リーズナブルで使い勝手の良い筆を紹介しました。

そして、おすすめメーカーは

・ナムラ

・中里

・松月堂

です。

有名どころで使いやすく、高すぎないお値段のものをピックアップしました。

メーカーホームページからでも、実店舗の画材店でも取り扱いがあります。

一部はAmazonや楽天の店舗もあるようですので、チェックしてみてくださいね。

 

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