狩野派と琳派の違いは?作品の特徴をそれぞれわかりやすく解説します!

狩野派と琳派の違いは?

作品の特徴をそれぞれわかりやすく解説します!

 

こんにちは、日本画家の酢田こいちです。

今回は

狩野派(かのうは)と琳派(りんぱ)の違い

についてみていきます。

 

狩野派(かのうは)と琳派(りんぱ)は

日本画の流派では非常に有名で

聞き覚えがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

どちらも全国の美術館で企画展が行われる

大きく、現代でも人気のある作風、

作品が勢揃いしている流派です。

 

狩野派(かのうは)とは?

⚫︎特徴

特徴は大きく二つあります。

まずひとつ目の狩野派の特徴は、

血筋で代々続く

日本絵画史の中でも最大の絵師集団であるということです。

 

ふたつめは作品そのものの特徴です。

大陸漢画とやまと絵の融合した作風で

ベースが漢画となっていて

アレンジが日本風になっていると言えます。

 

また、3つの時代にかけて

画壇の中心、第一線で活躍し続けた流派であること

そのものが特徴とも言えます。

 

⚫時代

室町時代から

安土桃山時代、

江戸時代

と3つの大きな時代区分を続き

約400年にわたり、

日本絵画の画壇の中心で活躍し続けました。

 

 

⚫︎代表的な画家

初代 狩野正信:室町幕府8代将軍足利義政に仕え狩野派の始まりを担った人物です。

 

初代の嫡男・狩野元信:妙心寺霊雲院障壁画製作

 

狩野永徳:初代(狩野元信)の孫

安土城や大坂城の障壁画を制作したと言われています。

 

狩野探幽:狩野永徳の孫

京都から江戸に本拠を移して、

江戸城や二条城などの障壁画制作のとりまとめをしたと言われています。

 

狩野山楽:本拠の京都にとどまり活動を続けました。

「京狩野」と称されていて一派を代表すると言われることもあります。

 

 

⚫︎作品

「朱衣達磨像」狩野正信

from The Metropolitan

「唐美人唐子図屏風」伝狩野永徳

The Metropolitan museum

 

「四季山水図屏風」狩野 探幽

Title: Landscapes of the Four Seasons. Artist: Kano Tan’yū (Japanese, 1602–1674). Period: Edo period (1615–1868). Date: 1630s

Medium: Pair of six-panel folding screens; ink and color on paper Dimensions: Image (each): 60 3/8 in. × 11 ft. 6 7/8 in. (153.4 × 352.7 cm) Classification: Paintings

 

「老梅図襖」狩野 山雪(かのう さんせつ)

狩野山雪 (1590–1651) 江戸時代(1615–1868)

 

琳派(りんぱ)とは?

⚫︎特徴

特徴は大きく二つあります。

まずひとつ目の琳派の特徴は、

血縁ではなく、私淑(ししゅく)と呼ばれる方法で

広まり学ばれてきた

⚫時代

桃山時代後期(1558年)から近代まで

⚫︎代表的な画家

本阿弥光悦

尾形光琳・乾山兄弟

酒井抱一

鈴木其一

 

⚫︎作品

 

鈴木其一「朝顔図屏風」

The Metropolitan museum

 

「二羽の白鷺と蓮」 酒井抱一

酒井抱一(1761–1828)
二羽の白鷺と蓮T
江戸時代 (1615–1868)
Hanging scroll; ink and color on silk; Image: 46 3/4 x 21 1/2 in. (118.7 x 54.6 cm)
The Metropolitan Museum 

 

 

狩野派(かのうは)と琳派(りんぱ)を比べてみる

 

⚫︎作品の特徴の比較

狩野派は漢画がベースにあるのに対して、

琳派はやまと絵の流れを汲んでいます。

 

作品そのものを同じくらいの時代で比べてみましょう

 

⚫︎流派の継承方法

狩野派は血筋、家系で流派が続いてきたのに対して、

琳派は血筋、家系ではなく

どんな人間でも琳派を継承することができる

私淑という形で続き、広まってきました。

 

まとめ

今回は日本画の流派で有名な

狩野派(かのうは)と琳派(りんぱ)を比べてみてみました。

 

狩野派(かのうは)は

約400年以上一戦で活躍し

血縁で続いた日本絵画史上最大の絵師集団でした。

また、作品の特徴は

漢画をベースに日本らしさを加えた作風です。

そのため水墨画と金箔の取り合わせが非常に豪奢で

中国の文化を彷彿とさせるダイナミズムが感じられる作品が多いです。

 

琳派(りんぱ)は血縁ではなく

誰でも学べる私淑で続き、

やまと絵からの流れを汲んでいるので鮮やかで繊細な

現代のデザインに通じる余白や、

モチーフの複製(現代のコピー&ペースト)の技法があります。

 

それぞれの流派の生まれのルーツの違い、

存続方法や形式の違いから現れる

作風の特徴が見られました。

 

同じ日本で生まれて現代まで作品が残り、

有名な画家を生み出した流派でも

それぞれに違いが出ていました。

 

各流派が栄えていくなかで

うまれた技法や素晴らしい作品たちが

現代の私たちにも見ることができるのは嬉しいことですね。

 

日本の中で毎年、長くても数年に何度かは

企画展が行われ、直接見られる機会がある琳派と狩野派。

機会があれば、ぜひあなたの目でマスターピースたちを見てみてくださいね。

 

日本画をより楽しめますよう。

 

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