もくじ
【日本画】岩絵具と水干絵具どんな違いがあるのか?
違いを赤色で比べてみました!
今回は、岩絵具と水干絵具と顔彩の赤系の絵の具で違いを比べていきます。
日本画を描く上で、画材は重要ですよね。
初めての方はぜひ画材の違いを知っていただいて
作品に役立てていただきたいですし、
もちろん、経験者の方にも
資料や知識の一つとして参考にしていただけたら嬉しいです。
左から、顔彩、水干絵の具、岩絵具(新岩絵具)の順番です。
形状の違い
岩絵具
文字通り、岩(宝石などの石)からできていて、かなり高価なものも存在します。
最近ではガラスに色をつけて細かく砕いたものを「新岩絵具」と呼び、
比較的安価に手に入れることができます。
砂状〜粉状まで同じ色でも、細かさの違いがあり、番号で分けられています。
ジャリジャリしていてきらきらと輝くのが特徴です。
瓶や透明な袋(ジップパック)に入って売っています。
グラム単位で販売してもらえます。
粒が大きいと
お皿に出した時に立体感を感じられます。
水干絵具
色によっては粉が固まっていたりします。
これを均等に圧力をかけて粉に戻してから使います。
瓶(量り売りやセット、単品など)に入って売っています。
顔彩
単品もありますし、カラーセットもあります。
水に溶かしてそのまま使えるのが魅力です。
接着力を強めたい場合には、膠を追加して使うことをおすすめします。
「顔彩の写真」
使い方の違い
使い方に大きな違いはありません。
どの画材を使うときも、必要なのは水と膠です。
岩絵具
膠と水で溶いて使います。
先に膠で練って、その後に水を加えて濃度を調節します。
水干絵具
膠と水で溶いて使います。
先に膠で練って、その後に水を加えて濃度を調節します。
顔彩
水に溶かしてそのまま使うこともできますが、
重ねて使いたい場合は
乾いた後にも水をつけると取れてしまったり色が混ざってしまったりするので
膠と混ぜて使うと比較的強めに接着してくれるのでおすすめです。
塗った時の違い
岩絵具——————真ん中☟
塗り心地:ぽてっと筆先が重ためです。さらっと塗るよりはちょんちょんと絵の具を置いていく感じです。
塗った直後の発色:砂状の岩絵具と比べると色は濃く感じます。
塗った直後の質感:ツヤツヤキラキラしています。
乾いた時の発色:水分が飛んで若干色の濃さが軽減します。
乾いた時の質感:ザラっとしていて立体感があります。光の加減でキラキラします。
完全に水分が飛ぶとツヤは全くなくなって、マットな質感です。
水干絵具———————————-右☟
塗り心地:和紙に染み込むようにスっと塗ることができます。
塗った直後の発色:溶いた絵の具そのままの発色で鮮やかです。
塗った直後の質感:湿った和紙の感じで乾ききっていないのでツヤツヤしています。
乾いた時の発色:少し薄めになった印象です。色味は若干彩度が落ちるような感じです。
乾いた時の質感:和紙に染み込んでさらっとしてマットな質感です。
水彩絵の具を塗った後と同じような感じです。
顔彩–左☟
塗り心地:水干絵の具よりもさらに、さらっとしていて和紙に染み込むようにと塗ることができます。
塗った直後の発色:溶いた絵の具そのままの発色で鮮やかです。
塗った直後の質感:湿った和紙の感じで乾ききっていないのでツヤがあります。
乾いた時の発色:少し薄めになった印象です。色味は若干彩度が落ちるような感じです。
乾いた時の質感:和紙に染み込んでさらっとしてマットな質感です。
水彩絵の具を塗った後と同じような感じです。
保存方法の違い
岩絵具
長期保存:できる○
水分を完全に飛ばして乾かしておけば保管できます。
繰り返し使える?:使える○
膠抜き(にかわぬき)をして乾かしておけばまた砂状に戻るので
使う時に膠と水を混ぜればまた使えます。
水干絵具
長期保存:できない×
一度、膠と水で溶いてしまうと保存はできません。
繰り返し使える?:使えない×
岩絵具と違って顔料なので、元の粉に戻ることはありません。
顔彩
長期保存:できる○
元々容器に詰めてあるので長期保存に向いています。
使った後は水分を飛ばして保管してくださいね。
ただし、別皿に移して使ったものは長期保存できません。
繰り返し使える?:使える○
元々容器に詰めてあるので使えます。
まとめ
今回は、日本画を描く際によく使う3種類の画材
岩絵具、水干絵具、顔彩を比較してみました。
画材によって乾いた時の画面の質感の違いや、
塗った時の色や表面の感じの違いなど見ていただけたと思います。
また、保存方法の違いはしっかりと確認していただくと
絵の具を使うときに便利ではないかと思います。
岩絵具は、長期保存ができます。
水干絵の具は、長期保存ができません!
顔彩は、長期保存ができます。
それでは、素敵な日本画ライフを!
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