【日本画】木製パネルに和紙を張る方法は?張り方を初心者でもわかりやすく解説します!

-木製パネルに和紙を張る方法-

今回は、木製パネルに和紙を張る方法を

はじめての方にもわかりやすく解説します!

所要時間は、サイズにもよりますが

今回解説するF0を全工程含めて作業時間は30分から40分で張ることができます。

木製パネルに和紙を張る工程が2度あり、

乾燥の工程も2度あるので

これらの工程を含めると季節や気温によっても多少時間は前後します。

日本画を描く際の支持体として

木製パネルに和紙を張ったものを使います。

絹を使う場合もありますが、

和紙のほうが安価で

初めてでも挑戦しやすいのでおすすめです。

 

 

準備編:必要なものは?

今回はF0サイズの木製パネルを使って和紙を張っていきます。

初めの方はテーブルに乗るくらいのサイズ、小さいサイズの方が貼りやすいので

初めての方は小さめサイズを選ぶことをおすすめします。

用意するもの

・木製パネル(今回はF0サイズを使いますがお好きなサイズをご準備ください)

・和紙(パネルサイズの2枚分)

・ヤマトのり(でんぷんのり)

・はさみ、カッター

・刷毛2本(和紙を湿す用と、和紙と木パネルの間に入る空気を抜く用)

 

必須ではありませんが

大きなパネルなどを張りたい場合にあると便利なものは

・重し(文鎮や水を入れたペットボトルなど濡れても大丈夫なもの)

・側面を仮止めできる大きなクリップ(事務用品)

 

木製パネルに和紙を貼るときに必要なもの

 

どこで買えるのか?

実店舗で直接見ながら選ぶのであれば

関西の方はカワチ画材、丹青堂

関東の方は世界堂、ピグメントトーキョーがオススメです。

インターネット通販で一気に揃えてしまうのであれば

夢画材世界堂がオススメです。

筆やピンポイントで何か一つ足したいなどであれば

Amazonや楽天などでも取り扱っています。

そのほか日本画画材を取り扱っている画材店について知りたい方は

こちらの記事もオススメです↓

日本画を描くには何が必要?どこで買えばいい?徹底解説します!

 

 

今回の作業の一連の流れ

1.和紙を切る

パネルサイズより一回り大きめのもの×2枚

2.糊貼り

糊貼りをすることで木パネルから出るアク

を目止めします。

しっかりと乾燥させます

3.水張り

作品を描くための面を作ります。

しっかりと乾燥させます

完成

という流れになります

実践編

 

1.和紙をカットする

和紙を切って張るのにちょうど良いサイズにします。

パネルの側面まで含めたサイズに切るので

パネルサイズより一回りほど大きめに切ります。

側面が余りすぎると後からの処理が大変になるので、パネルからはみ出るぶんは3cm〜4cmほどにとどめましょう。

パネルサイズ一回り分にカットした和紙は2枚用意してください。

1枚は糊貼り用で、木から出るアクを止める役割があります。

もう1枚は水張り用です。こちらは絵を描くための面を作ります。

2.糊貼り

まず1枚の和紙を張る準備をします。

ヤマトのりに水を混ぜはちみつくらいの粘度にします。

水をまぜることで延ばしやすく

乾燥後に和紙に影響しにくくなります。

 

おすすめの方法は、

ヤマトのりを底が深めのお皿に出し

なめらかになるまで何も加えず筆などで

ぐるぐると混ぜます。

水を加えた糊を混ぜる

つぶつぶしたところがなくなりとろっとしたら

水を少しずつ加えながら混ぜていきます。

はちみつくらいの粘度になったらできあがりです。

水を加えて混ぜた糊

 

これを大きめの幅広い筆でパネルに塗っていきます。

できるだけ薄めにぬり、

ぬったのりの厚さが大体1mmくらいになるよう

平たく調節します。

木パネルに糊を塗る

パネルを持ち上げ、目線と平行になるように

確認するとわかりやすいです。

 

あまりのりを分厚く塗ってしまうと

和紙を貼った時にしわになったり、

乾燥後にのりが盛り上がってしまうので

要注意です。

 

均等にのりが塗れたら和紙を貼っていきます。

和紙は湿させてから貼ります。

湿す方法は

刷毛に水を含ませてタテ、ヨコとしっかり水を行き渡らせます。

 

しっかり湿ったかの確認をします。

紙を自立させるかたちで立ててみると

しっかり湿っているとまっすぐにならず

しなりとなります。

 

反対に、湿しが甘い時は

紙がまっすぐになるので

その場合は水を足して湿してください。

和紙を湿すのは次の水張りの工程でも行いますので覚えておくと便利です。

 

 

しっかり和紙を湿すことができたら

乾いた刷毛を用意してから

側面に貼る部分をのこしてパネルの上に

和紙を乗せていきます。

和紙を乗せたら乾いた刷毛で

真ん中からサッサとなでて

パネルと和紙の間に入っている空気を

外に逃がしていきます。

 

空気がぬけて平たくなったら

側面を何も混ぜていないのりで接着していきます。

このとき、せっかく抜いた空気が入ってしまうことがあるので

和紙の真ん中に重しを置き、

さらに仮止めをします。

こうすると紙が動いたり空気が入ったりせず

スムーズに接着作業ができます。

 

 

このとき、和紙の角部分が重なってしまうのでハサミなどで切れ目を入れると接着しやすいです。

和紙を切る

 

しっかりと乾燥させたら、次の工程です。

 

3.水張り

今度はのりを使わず、先ほどと同じように

和紙を湿してパネルに張ります。

 

まず刷毛に水を含ませ和紙に塗っていきます。

しばらく待つと水を吸ってしなりとしてきます。

和紙を立たせてもピンと立たずにしなりとしたらちょうど良い具合です。

この状態で側面の分に気を付けて

パネルにのせます。

乗せたら乾いた筆を使ってサッサと撫でて

空気を抜きます。

 

空気が抜けていないと和紙の一部がぷっくりと盛り上がることがあります。

こういう盛り上がりはきちんと空気抜きの工程でつぶしましょう。

和紙を痛めない程度に優しくするのがコツです。

 

空気が抜けていないまま乾いてしまうと

乾ききってもいても

空気が入っているとその部分だけが盛り上がってしまい

絵を描く時にも不便で

見た目もあまり良くありません。

 

しっかりと空気抜きができたら

何も混ぜていないのりを使って側面を接着していきます。

 

また角の和紙が重なるので、ハサミで切り取ってください。

しっかりと乾燥させて

斜めなど色々な角度から確認し

平らにできていたら完成です。

 

まとめ

今回は木製パネルに和紙を張る方法をお伝えしてきました。

準備するもの

最低限必要なもの

・木製パネル(今回はF0サイズを使いますがお好きなサイズをご準備ください)

・和紙(パネルサイズの2枚分)

・ヤマトのり(でんぷんのり)

・はさみ、カッター

・刷毛2本(和紙を湿す用と、和紙と木パネルの間に入る空気を抜く用)

あると便利なもの

・重し

・側面を仮止めできる大きなクリップ(事務用品)

日本画画材を取り扱っている実店舗は

関西ではカワチ画材や丹青堂、関東では世界堂、ピグメントトーキョー

インターネット通販では夢画材世界堂をオススメしています。

 

作業工程

1.和紙を切る

パネルサイズより一回り大きめのもの×2枚

2.糊貼り

糊貼りをすることで木パネルから出るアク

を目止めします。

しっかりと乾燥させます

3.水張り

作品を描くための面を作ります。

しっかりと乾燥させます

完成

このような流れでした。

今回は小さなサイズのパネル(F0号)を使いました。

大きなサイズのパネルに張る方は重しを用意しておくことをおすすめします。

今回は使っていませんが、仮止めできる大きなクリップなどもあると便利です。

 

作業ごとの注意点

糊貼りと水張りでは、

作業工程はほとんど同じですが

それぞれ気をつけるところが違いました。

糊貼り

しっかりと水と糊を混ぜてつくることと、

作った糊をパネルにうすーく伸ばすことが大事です。

水張り

和紙に含ませる水の量と、

木製パネルに貼った後の空気の処理を丁寧に無くしていくことが大事です。

 

以上に注意して作業を順番に進めていけば支持体はきちんと用意できます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

日本画を楽しめますように!

この記事が良いと思ったらシェアしてね!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です