もくじ
-はじめに-
今回は、初心者におすすめの絵の具の種類と選び方について解説していきます!
扱いやすさが抜群な水彩絵具をご紹介します。
水彩絵具と一口に言っても絵の具の種類によって、得意なこと不得意なことがあります。
したい表現に合わせて絵の具選びができるように
絵の具を選ぶときの参考にしていただけると嬉しいです!
絵の具とは何か?
絵の具は主に色(顔料)と糊(ビヒクル)からできています。
顔料は簡単にいうと色のついた粉で、これが絵の具の色を決めます。
ビヒクルとは絵の具を乗せる紙などに色を定着させる役割の事を言います。
絵の具の糊の役割をするものは多くあり、この糊を何にするかによって絵の具の名称や、使い方も変わってきます。
水彩絵の具
水彩絵の具は水で溶いて使用します。
だれでも簡単に使え、多く親しまれている絵の具です。
主に透明水彩と不透明水彩の2種類に分けることができます。
また不透明水彩にはさらにアクリルガッシュとポスターカラーの2種類があります。
ここからさらに特徴や使い方について詳しく解説をしていきたいと思います。
透明水彩
水彩絵の具といえば透明水彩です。
誰でも一度は触れたことがあるのではないでしょうか。
水彩絵の具は、幼稚園から小、中学校などの教育機関で多く使用されている絵の具です。
塗ると紙などの地の色が透け、平たく紙に染み込むような使い心地です。
淡い色合いや風景、ふんわりと優しい表現や霧のように霞んだ表現にも向いています。
特徴
透明感の強い絵の具で、一度乾燥して固形の状態になっても
水に触れると溶ける性質を持っていて一度出した絵の具が乾燥、固形化しても繰り返し使うことができます。
この特徴を活かしてオリジナルパレットを作って混ぜた色をいつでも使えるようにしたり
野外スケッチなどに持ち運ぶこともできます。
成分
主な成分は顔料とアラビアガム水溶液で、
糊の役割をするアラビアガム水溶液が顔料よりも多く含まれることで透明感が強く出るようになっています。
質感は色にもよりますが全体的にさらりとしていることが多く手などについてもすぐに洗い流せます。
使い方
紙の上でぼかす、にじませることができるので、多めの水で絵の具を溶くことをおすすめします。
もし絵の具を出しすぎてしまったり、乾いてしまっても水で濡らした筆を使えばまた描けます。
種類
○チューブタイプ
蓋つきチューブに入った絵の具です。
○固形タイプ
固形タイプはケーキタイプとパンタイプの二種類に分かれます。
・ケーキタイプ
幼児教育などに用いられます。
丸くて平たい、数種類のカラーがセットになっていることが多いです。
・パンタイプ
鮮やかな発色、高級水彩紙向けなどの高品質なものが多いです。
おすすめのメーカー
○クサカベ
○ホルベイン
不透明水彩
不透明水彩絵具はアクリルガッシュとポスターカラーの2種類があります。
透明水彩と似ているように見えますが、得意な表現が違います。
乾くのが早く、制作スピードがはやい方や、短時間で色を重ねたり重厚感を出すのにも向いている絵具です。
特徴
不透明水彩と透明水彩の大きな違いは絵の具を作る際の色(顔料)とビヒクル(糊)の配合量です。
不透明水彩は色(顔料)が多く、ビヒクル(糊)が少ないので
紙に絵の具を乗せたときに透明水彩よりも濃く発色し背景色を覆います。
アクリルガッシュとポスターカラーの違いはビヒクル(糊)の成分の違いです。
使い方もほとんど同じですが、ビヒクル(糊)の成分の違うことで注意する点がそれぞれにあります。
アクリルガッシュは水に触れると溶ける性質を持っていますが、一度出した絵の具が乾燥、固形化すると耐水性となりもう一度使うことはできません。
ポスターカラーも水に触れると溶けますが、アクリルガッシュとは違い乾燥した後も水に触れると溶ける性質を持っています。
アクリルガッシュの成分
主な成分は顔料とアクリル樹脂で、
顔料が多く含まれ、糊の役割をする成分はアクリル樹脂です。
比率は顔料の方が多く、アクリル樹脂が少ないことで濃い鮮やかな発色ともったりとした質感です。
アクリルガッシュの使い方
使い方は透明水彩と同じように水で溶かして使います。紙だけでなく、布や木材など様々なものに塗ることができます。
注意する点は、乾いてしまうとそのまま固定され修正が効かないところです。
不透明水彩を修正したい場合には絵の具を溶く水を少なくして重ねる、塗りつぶすと下の色は覆われて見えなくなります。
パレットに出した絵の具はできるだけ早く使うか、水を多めに含ませて乾きを遅くするなどの工夫が必要です。
アクリルガッシュの種類
○チューブタイプ
小さいものから大きなものまで幅広く
たくさんのメーカーが通常カラーも数多く展開し
金や銀、メタリックカラー、和風カラーなど特殊な色も展開しています。
おすすめのメーカー
○アムステルダム(比較的安価)
○ターナー
○リキテックス
ポスターカラーの成分
主な成分は顔料とアラビアガム水溶液で、
顔料が多く含まれ、糊の役割をするアラビアガム水溶液が少ないことで濃い鮮やかな発色ともったりとした質感です。
ポスターカラーの使い方
使い方は透明水彩と同じように水で溶かして使います。
ポスターカラーはアクリルガッシュと違い、乾いて水に触れると溶けてしまうので注意が必要です。
水を少なくして重ねることもできますが、重ねた部分は固まりません。
ポスターカラーの種類
○チューブタイプ
おすすめのメーカー
○クサカベ
○ホルベイン
まとめ ー透明水彩と不透明水彩を比べてみるー
初心者の方におすすめな水彩絵の具の選び方と種類を解説してきました。
水彩絵の具には大きく分けて透明水彩絵の具と、不透明水彩絵の具の2種類があります。
透明水彩絵の具は塗ると紙などの下地が透け、淡い表現が得意です。
また、乾いても水に触れると溶けるのでスケッチなどで彩色したい時にも使えます。
不透明水彩絵の具はアクリルガッシュとポスターカラーの2種類あり、
そのどちらも塗ると紙などの下地の色は覆われます。
アクリルガッシュは乾くと耐水性になり固定され絵の具を盛り上げたりできますが、
ポスターカラーは乾いても水に触れると溶けます。
自分のしたい表現や使いたい紙、支持体に合わせて絵の具選びができると制作も楽しくなります!
ピッタリあった画材で納得のいく作品作りができますように!
Thanks