今回は、日本画を描くために必要なものの解説と
どこで買い揃えれば良いのかをお伝えしていきます!
かなり長くなってしまったので、目次を活用していただければと思います!
日本画を描くために必要なものは?
まずは日本画を描くために必要なものの一覧です
・絵の具(岩絵具・顔彩)
・膠 –にかわ-
・支持体 -しじたい-(和紙や絹など)
・チャコペーパー
・筆
・筆洗 -ひっせん-
・乳鉢 -にゅうばち-
ゼロからスタートする方でもこのくらい揃えることができればじゅうぶんと言えます
では、ひとつずつ見ていきましょう!
絵の具(岩絵具・顔彩)
日本画の絵の具は岩絵具(いわえのぐ)と水干絵具(すいひえのぐ)そして多用途な顔彩(顔彩)があります。
手間が少ないのは顔彩ですが、日本画らしさ、
日本画材の面白さを感じられるのは岩絵具です。
岩絵具は砂状なので、
膠-にかわ- と水を混ぜることで絵の具として使うことができます。
日本画絵の具について詳しく知りたい方はこちらを参考にしてみてください!
膠-にかわ-
膠は、粉状の絵の具を支持体に定着させる糊の役割をします。
膠を混ぜなければ色がつかずに支持体から剥がれ落ちてしまうので必須です。
原料は動物の骨や皮、内臓を煮出したコラーゲン質のものです。
これを固め、乾燥させたものが流通しています。
種類が豊富で、原料が違うものもあるので今回はおすすめの膠を3つご紹介します!
三千本膠(さんぜんぼんにかわ)
日本画を描く上で定番とも言える種類の膠です。
膠を固め、棒状に乾燥させてあります。
適度に細かく砕いてから水でふやかし、
熱で溶かして液体に戻して使います。
非常に硬いのでタオルなどで包んでから、ハンマー等で砕き溶かして使います。
詳しく知りたい方は こちら
鹿膠(しかにかわ)
形状は2種類あります。
四角いサイコロ状に固めてあることが多く、形が均一なので分量の調節がしやすいです。
液体状のものもあり、どちらの形状も接着力はかなり強いです。
他の膠と併用するのもおすすめです。
鹿と名前がついていますが、実は牛の皮や骨から作られています。
膠液(にかわえき)
液体状の膠です。
液体状のまま販売されていて、そのまま使えるので準備の手間がなく大変便利です。
個人的なおすすめは少し手間のかかる三千本膠ですが、
膠液は使い勝手が良く、急いでいる時や簡単に済ませたい場合におすすめです。
基本的に膠は長期保存に適していないので、もし保存したい方は
風通しの良い冷暗所で保管することをおすすめします。
日本画初心者にもおすすめの三千本膠の使い方
膠液の作り方は
こちらから
支持体-しじたい-(和紙や絹など)
日本画の支持体は基本的に
木製パネルに紙を張ったもの(紙本-しほん-と言います)か、
木枠に絹(絹本-けんぽん-と言います)を張ったものを使用します。
今回は絹を扱うより簡単で安価に用意できる紙本についてご紹介します。
麻紙ボード-ましぼーど-
麻が原料の和紙を張ってあるボードです。
イラストレーションボードや画用紙とほぼ同じように使用できます。
初めて日本画に触れるのであれば、購入してそのまま使用できるこのボードがおすすめです。
雲肌麻紙パネル-くもはだましぱねる-/白麻紙パネル-しろましぱねる-
和紙が木製パネルにすでに張ってあるものです。
雲肌麻紙(くもはだまし)や白麻紙(しろまし)は麻を原料とした和紙の種類になります。
木製パネル/和紙/でんぷんのり
より本格的に制作したい方は
自分で木製パネルに和紙を貼ることに挑戦してみてはいかがでしょうか?
好きなサイズはもちろん、四角だけでなく円やハート形の支持体の用意ができます。
和紙もお好みのものを使えるためコストも抑えられます。
パネルの貼り方 こちらから※リンクが繋がると見ることができます
チャコペーパー
水に濡れると線が消える水溶性の下絵を転写できる紙です
下絵を支持体に描き写す時に使います。
チャコペーパーの使い方
筆-ふで-
日本画で使われる定番の筆は面相筆(めんそうふで)と彩色筆(さいしきふで)です。
本格的に始めたい方は複数種類の入っているセットで揃えると良いかもしれません。
どれを選べば良いかわからない場合は面相筆と彩色筆を1本ずつ買って試してみると
他の筆との描き心地の違いなどがわかりやすいと思います。
水彩用の筆や、アクリルでできた筆なども使えるので
あわせて使ってみるのも面白い表現が出来るのではないでしょうか。
筆洗-ひっせん-
筆を洗うバケツです。水が入る容器であればどんな物でも代用OKです。
きちんとしたものを買うと筆を置く場所があったりして便利です。
https://www.amazon.co.jp/サクラクレパス-ヒッセンC-二重筆洗-大型/dp/B004WM3OM8
乳鉢-にゅうばち-
岩絵具を砕いて細かくし、絵の具として使いやすくする道具です。
あった方が便利ですし、綺麗に砂状になってくれます。
ない場合は大きめのつるっとした石と陶器の器で代用できます。
石は綺麗に洗って乾かしてから、
器は欠けたり傷ついたりしても良いものを選んでください。
イッキに画材を揃えたい時におすすめの画材屋さん
ここまで必要なものをご紹介してきましたが、
ネット通販や店舗など、どこで買えるかを簡単にご紹介していきます!
今回紹介している画材屋さんは日本画材だけでなく、
油彩、版画などの取り扱いも豊富です。
どのお店もネット通販で購入もできますのでよければ参考にしてみてください!
店舗によっては額装などの相談にも乗ってくれたりなど
さまざまな商品を取り扱っているお店です。
現物を見て確認したい方には、店舗のある画材屋さんで揃えるのがおすすめです
○関東
関東にチェーン展開しているマルチな画材店です。
実店舗は大型店が多く、実際にものを見て購入することができます。
通販もかなり充実していて、オンライン限定のセットなども販売しています。
通販を使う際にはあまり急がない場合におすすめです。
日本画材だけを取り扱った店舗は東京にいくつかありますが、
「ピグメントトーキョー」は日本画に興味がある方にはおすすめです。
日本画材だけの品揃えですが、種類豊富で、インテリアのように美しく並べられた画材たちは圧巻です。
購入するものがなくてもミュージアム感覚で楽しめるお店なので
一度行ってみても良いのではないでしょうか?
○関西
カワチ画材
http://www.kawachigazai.co.jp/store.html
画箋堂
http://www.gwasendo.com/company/products.html
画材を揃えることができるネットショップはかなりたくさんあるので
送料や品揃えなどをぜひ自分に合ったショップを見つけてほしいと思います
個人的にゆめ画材さんはお世話になっています
意外に思われるかもしれませんが、amazonや楽天などでも販売しているので、
ショップレビューや商品のレビューを見ながら選んでみても良いかもしれません!
日本画は敷居が高いと感じる人がいるかもしれませんが、
意外と簡単に道具は揃います!
いろいろな描き方や表現方法もたくさんの媒体で見ることができるので
初めは実験感覚で描いてみるのも面白いのではないでしょうか?
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