「永遠の舞踏」作品解説

「永遠の舞踏」

木製パネル 雲肌麻紙、胡粉、紅茶、墨

F0(180×140mm)

日本画×⻄洋の物語×紅茶

ロマンティックバレエの演目ジゼルをテーマに描きました。

精霊となったジゼルの、生者を巻き込む愛しく哀しい永遠の舞のシーンです。

 

ロマンティックバレエ 演目ジゼルのあらすじ

登場キャラクター:村娘ジゼル(ロイスと恋仲)

貴族アルブレヒト(農民ロイスに変装している)

バチルダ(アルブレヒトの婚約者)

ヒラリオン(ジゼルに片恋)

森の精霊ウィリの女王ミルタ

森の精霊ウィリたち

第一章

ジゼルとアルブレヒト(=農民ロイス)は恋仲で、

ジゼルは体が弱いが踊り好きで、

アルブレヒトが貴族だと知らずにいた。

そんな時ジゼルに片想いをするヒラリオンが

アルブレヒトの貴族である証拠(剣や衣装)を見つけてしまう。

ヒラリオンは貴族であるアルブレヒトの婚約者バチルダと公爵を村に連れ

アルブレヒトの正体を暴く。

貴族だと暴かれたアルブレヒトは婚約者であるバチルダの手にキスをし

それをみたジゼルは髪を振り乱して錯乱し母親の腕の中で息絶えてしまう。

 

 

第二章

結婚前に亡くなった女性が森の精霊ウィリとなり、女王の名をミルタという。

彼女たちは森の沼のほとりの墓地で毎晩集まり、

踊り狂い通り過ぎた若い男を死ぬまで踊らせた。

ジゼルもまたウィリとなり、ジゼルの墓に許してもらおうとやってきたヒラリオンは

他のウィリたちに追い立てられ、死の沼に落とされ死ぬ。

同時にアルブレヒトもジゼルの墓に訪れ、精霊となったジゼルに再会する。

女王ミルタはアルブレヒトも殺そうとするが、

朝になり精霊たちは墓に戻りアルブレヒトは助かった。

 

作品解説詳細

スカートは透かし鬼灯をイメージし、肉体のない、

空気が透けるような軽い存在を表現しました。

透かし鬼灯は鬼灯の実を加工して葉脈だけにするドライフラワーです。

美しいけれど、すでに死んでいるところにインスピレーションを受けました。

手元から漂う金色の輝きは祝福のように見えますが

生前の恨みから生者を引き込み黄泉の国へと誘います。

無念を死をもって償わせる、魂からの念がこもったような

暗いなか、ぼうっと浮き出る空間を表現しました。

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